事例:「四ツ井キモノデザイン研究所」様

伝統的工芸品産業事業者の魅力を伝える知的資産経営報告書
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「四ツ井キモノデザイン研究所」の知的資産経営報告書

企業名:四ツ井キモノデザイン研究所
代表者:四ツ井 健
業 種:加賀友禅
URL:http://www.yotsui.jp/index.html

〈 代表者:四ツ井 健からのメッセージ 〉

高校時代、将来はグラフィックデザインの仕事を目指そうとデッサン教室へ通い勉強をしていました。その時ある友禅工房で師となる人との出会いがありました。師は元メーキャップアーティストとして日本ファッション界創世記に活躍した中の一人で抜群のデザインセンスを持っていました。その師の下で10年余りの修行をしました。振り返ると私のデザインの基礎となる「着物はファッションである」事をここで学んだ事になります。

工房では友禅染の基礎となる技術鍛錬とデザイン研究をし、休日には美術館等で秀作を鑑賞したり野山へ出かけデッサンをする日々でした。数年たった時金沢市在住の陶芸家と出会いデザインの理論的勉強をすることになりました。それは松田権六氏が推奨した「日案」のデザイン日誌を重ねることでした「よいデザインは訓練を積み重ねなければ生まれない。またそのデザインを支える技術力も必要になる。優れた作品はデザインと技術の両輪によって完結する。」ことを学びました。その後その先生の下に通いデザインの訓練を重ね平成三年「石川の伝統工芸展」に第1作目の作品「友禅訪問着・花の詩」を出品いたしました。同年、独立し全国展である「日本伝統工芸展」入選を目標に創作を続けました。その後入選を重ね、平成十八年に日本工芸会正会員の認定を頂きました。

これから、私たち友禅作家が目指さなければならないことはこれまでとは違う考えを持つことと考えます。古くから現代まで脈々と受け継がれてきた日本の伝統工芸の技術力は世界のトップレベルのものがあります。その技術をより生活に合ったデザインと一体にした物づくりをしなければならなりません。つまり「生活に寄り添う友禅」を作り出すことだと考えます。そして生み出されたものを自ら発信、提案する事までを仕事としなければなりません。今の時代、伝承技術を伝えていくだけでは市場に受け入れられないと感じています。「今こそ着物はファッションである」を念頭にし、時代の動きを敏感に感じその時代の空気にあった物づくりをしなければならないと思っています。

着物離れが加速する中、友禅染は「自分で選んで自分で着る」、「自分の為に、自分が買う」本来の楽しいファッションとしての着物へ向かうことになるでしょう。その様なニーズに応える着物づくりを私は目指したいと思っています。金沢に生まれこの地でこの仕事に携わることができたことに感謝し、常に進化し続ける作家でありたいと思っています。

昭和37年 四ツ井健(本名:健治)石川県金沢市に生まれる
昭和56年 金沢市内友禅工房に勤める
平成3年 第32回石川の伝統工芸展初入選(以後連続)
平成9年 第34回日本伝統工芸染織展初入選
平成11年 第46回日本伝統工芸展初入選
平成18年 日本工芸会正会員に認定
平成21年 いしかわ産業化資源活用推進ファンド事業に認定
平成23年 めいてつエムザ(金沢市)個展

【 当社のこだわりを支える資産の連鎖 】

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