知的資産経営とは、企業がお客様に提供している価値を支えている知的資産を明らかにし、価値と知的資産の強化・創造を通じて収益につなげる経営のことです。
価値とは、お客様が魅力的感じること、企業の競争優位性・差別化要因のことです。例えば、「A社さんは納期を絶対に守りますよね」とお客様からお褒めのお言葉をいただいた場合、「納期順守」が企業の価値と言えます。
A社が「納期順守」という価値を提供できる理由はどこにあるのでしょうか。例えば、【厳しい時に頑張る従業員】がいるからかもしれません。また、どんなに忙しくても【無理をきいてくれる協力会社】と良い関係を結んでいるからかもしれません。では、従業員はなぜ、一生懸命に働いてくれるのでしょうか?もしかしたら【男気がある社長】に惚れており、「社長のためなら」と頑張ってくれるのかもしれません。また、協力会社はなぜ、無理をきいてしてくれるのでしょうか?もしかしたら、A社が月末締めの翌10日に【現金払い】をしており、短い支払サイトに魅力を感じているからかもしれません。
下の図からもわかる通り、【厳しい時に頑張る従業員】【男気がある社長】【無理をきいてくれる協力会社】【現金払い】は知的資産であり、「納期順守」という価値を支えていると言えます。
もし、A社の生命線が「納期順守」という価値であり、【無理をきいてくれる協力会社】が「納期順守」に与える影響が非常に高いと仮定します。そうした場合、資金繰りが厳しいために【協力会社には現金払い】という仕組み(=構造資産)を止めたらどうなるのでしょうか…。
このようなことを考えて、収益を高めることが知的資産経営です。